
衣服小売業の財務戦略を考える~アパレル業界の財務リスク〜
みなさん、こんにちは。
財務ナビスクール~中小企業のCFO~講師の中田です。
今回の財務研究は衣服小売業を取り上げていきます。
なぜ今回この業種に注目したかというと、今年の私の誕生日が父の日で且つ年男と非常にスペシャルな日で、誕生日に家族から洋服をプレゼントしてもらったからです。
さてアパレル業界とくくられることもあるようですが、財務的には非常に重要な業界です。
まずモノの仕入から考えてみましょう。
国内生産でしょうか?海外生産でしょうか?
原価、人件費を考えると海外生産が多く見受けられます。その場合、仕入資金は先行して支払う場合が多いようです。どれくらい先に支払うかと言えば、3ヶ月くらい先行して支払っているケースが多いです。
またいつ頃から仕入れていくのでしょうか?お話をお聞きしていますと春先には秋冬物、その又逆と随分早い段階から仕込みを始めているようです。
販売の方がどうでしょうか?
店頭での小売、ECサイトでの小売、中には一部卸部分もあるかもしれません。そうなると、在庫リスク、システム利用料などの中間コスト、売上金の入金サイト等考えなければならないことは数多くあります。
それではと新春の福袋にして一気に現金化しようと考えるかもしれません。
その裏側では大量な在庫リスク、流行の読み間違い、季節商品ゆえの型遅れ等があります。
よって衣服品関連業は非常に資金が寝る場面が多くあり、季節変動が多くあります。そこで金融機関は経営者が資金需要と現金化を懸命にお話されるものだからと、短期(6ヶ月)手形貸付をお勧めしてきます。
期間中、毎月の返済がなく、短期間での貸付なので支払利息負担にも無駄がない・・・
一見良さそうですよね。
しかしそこに財務の怖さが同居しています。
想定売上にいかなかった、取引先とトラぶって入金が遅れそう等がそうです。月末に控えた返済の資金目途が立たない・・・不渡りか!って怖さです。
そのためにも安定的な借入と返済で常に盤石な財務体制は毎月返済の借入(証書貸付といいます)で対応しましょう。
衣服小売業では、仕入と売上の入出金サイト、取扱いブランド毎の在庫回転、リアル店舗とネットでの販売状況等を金融機関担当者にしっかりと伝えることができるかどうかです。
このように全ての企業の存続、成長、拡大には財務が必要です。経営者が継続して財務を学ぶ機会として毎月開催している、財務ナビスクール~中小企業のCFO~を是非ご活用ください。
直近開催は6月28日、7月12日です。是非一度お申込下さい。
それでは引続き、財務ナビ研究をお楽しみに。
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Q 手形融資(短コロ)ってなんですか?