財務のプロ湯原が読み解く飲食業界の財務戦略

2017/05/22

財務のプロ湯原が読み解く飲食業界の財務戦略

みなさん、こんにちは。
みんなの財務スクール~中小企業のCFO~講師の湯原重之です。

今回のみんなの財務研究ではすし業を取り上げてみます。

なぜ鮨なんだ?と思われた方もいらっしゃるかと思います。答えは簡単です。湯原がお寿司が好きだからです。湯原だけでなく家族全員好きだからです。

しかしここは中小企業経営者の学びの場。大規模回転すし企業の研究は大学のゼミ生にでもお任せしましょう。

さて、「すし」と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか?
回転すし、高級、職人、さかな・・・いろいろあるかと思います。寿司といってもいろんな業態があり、それらは全て寿司(当り前ですが)なので、企業として存続していくためには、それら全ての寿司が競合であるという認識を持たなければなりません。

となると、どの路線で生き残っていくかの選択になります。
確率論ですが、これから事業を立ち上げようとする場合、回転すしに参入するという選択は中小企業では少々ハードルが高いのではないでしょうか?
初期投資金額があまりにも多額になるからです。

創業間もない頃の財務の基本は、少額投資、ドミナント戦略です。

それでは少額投資となると店舗の大きさも限られてきます。店舗の場所も一等地戦略は当然打てなくなります。2.5等地、3等地かもしれません。しかし寿司には他業態にない特色があります。

経営者の個性です。
経営者=大将(ごく稀にマスター)=寿司職人である経営者の個性が他の飲食業態より際立つのではないでしょうか?

ここに勝算ありと考えます。
カウンターから奥は正に舞台!聖域!!
カウンター越しにその芸術的なすしを手渡しされようものなら、もうその瞬間参った!となりますね。

ただし財務目線から見てみると、仕入原価は居酒屋業態と比較すると高くなる傾向にあります。原価率では35-36%位になるのではないでしょうか?

またどの業態も同じですが、職人不足に悩まされます。
かといって未経験者を教育するための時間と予算は限られています。そのため大企業との格差は開く一方です。
そこを打破するために接客対応なしで、ひたすら握り続ける業態を別途持てば教育も兼ねるのかもしれませんね。

また個性を打ち出した小規模店舗とした場合、それなりの客単価になりますから、一見さんよりも固定客を想定します。となるといわゆるオープン景気よりも地道な積上げになります。そのための時間を稼げるだけの現預金残高を確保しているでしょうか?
経営計画書が大切になりますね。

そうした業態の中ですから、一般論としてのPLイメージは、原価率35%、粗利率65%、人件費率30%、地代家賃7%、税引前利益率8%をクリアしていただきたいものです。

問題があります。あまりに職人経営者の個性を打ち出し過ぎると、お客様は経営者個人についてしまいます。そうなると経営者自身の給与(役員報酬)はその1店舗の利益からしか捻出できないことになります。そしていつかは引退の時を迎えます。
常に2店舗目、3店舗目を意識した経営に努めていただきたいものです。

鮨というとある若手経営者を思い出します。
創業当初からのお付き合いで、創業間もなくは暇で、予約なしでいつでも入れ、いつまでも居られました。
しかし経営者の確かな腕と人柄で次第に評判店となり、1年もしないうちに予約の取れない人気店となりました。
スタッフみんなの笑顔が忘れられません。

本来の財務とは損益計算書ではなく、貸借対照表のマネジメントです。
こちらについては毎月開催している、みんなの財務スクール~中小企業のCFO~で解説しています。
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それでは引続き、みんなの財務研究をお楽しみに。

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