
5月倒産件数153件20%増
みなさん、こんにちは。
みんなの財務スクール~中小企業のCFO~講師の湯原重之です。
先週のニュースで湯原が注目したのは、「5月倒産件数153件20%増」です。
帝国データバンクがまとめたところによると東京都内の5月の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は153件で、4か月連続で前年を上回っているという。
飲食店を中心に小規模倒産が増えているという。
今回湯原が注目したのは、「負債額」という点です。
負債額とは企業が抱えている負債、例えば買掛金、未払金、未払費用、預り金、借入金、未払法人税等です。つまりはいずれ企業が支払わなければならない金額の総称です。
この総額が企業の資産総額を上回る場合に債務超過と言われます。
経営をしていると様々な取引が発生し、現在の商取引ではほぼ全ての企業に掛け取引があるかと思います。いわゆる売掛金と買掛金です。同様に未払金や未払費用もあるでしょう。そう考えれば、負債総額が1,000万円を超えてくるのは半ば自然の成り行きと言っても過言ではないでしょう。
にも関わらず倒産してしまう企業は後を絶ちません。
しかも問題なのは、今回の集計で分かったことですが、企業倒産件数のうち全体の3分の2を負債額5,000万円未満で占めているという現実です。
なぜ倒産するのか?
負債額が増えたからなのでしょうか?
違います!
倒産した理由は現預金が枯渇したからです。負債額が増えて倒産したのであれば、借入金を1億円した企業は倒産するのでしょうか?
倒産件数全体の3分の2は負債額5,000万円未満だというのにですよ。
つまりは、金融機関から借入をせずなんとか自己資金だけで事業を継続させようとして突然のトラブルに直面した、
又は、自己資金だけで事業を継続しようとしたがうまくいかず、いざ借入をしようとしたが時すでに遅し、どの金融機関からも借入をすることができなかった。
こうした積極的に借入という負債を増やさず、かといって買掛金等支払のサイトを伸ばすという活動もせず、売掛金等の回収管理が甘い、そうした企業から倒産してしまうのです。
ほとんどの企業倒産は、売上・粗利といった損益計算書が原因というよりも、現預金管理=財務管理といった貸借対照表のマネジメント不足が原因です。
企業には多くの社員とその家族の人生がかかっています。経営者の最も大切なやるべきことは、企業を存続させることです。倒産させないことです。
このように中小企業経営者が財務を継続的に学べる場として、みんなの財務スクール~中小企業のCFO~を提供しています。
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それでは引続き、みんなの財務~ニュースを読む~をお楽しみに。