
売掛金の回収は出来る限り早くしよう!
前回は、いかに会社にとって現預金残高が大切かが理解できました。要するにこれから起業するなら、現金取引の会社を作った方がいいという事ですよね?
そういうことになるね。でも実際は商品やサービスを購入する側としては、現金取引よりも信用取引の方がやりやすいんだ。
信用取引…?いったいどういう意味でしょうか?
ちょっと分かりやすく解説するね。その前に、純ちゃんは売掛金、買掛金という言葉を聞いたことがあるかな?
聞いたことがある程度ですね。
じゃあ、まずはそこから解説していこう。
よろしくお願いします。
たとえば純ちゃんがコンビニにおにぎりを買ったとしよう。その時に、普通だったら純ちゃんはおにぎりと引き換えに代金を支払うよね。
そうですね。
もし仮にコンビニ側が「おにぎりの代金は後日支払って貰えればいいですよ」ということであれば、純ちゃんはその場でお金を支払わずにおにぎりを手に入れて、後日コンビニ側に代金を支払う事になるよね。この「後から受け取る権利」のことを売掛金と呼ぶんだ。また、一方で「後から支払う義務」のことを買掛金と呼ぶんだ。
いわゆるツケということですか?
そうだね。このように取引時点ではなく、将来にお金を支払ったり、受け取ったりする取引のことを信用取引というんだ。

なるほど。お互いに信用があるからこそ将来のお金の取引が成り立つ、すなわち信用取引という訳ですね。
その通り。
信用取引の売掛金というのはどれ位後に支払われるのが一般的なんですか?
それは会社間の取り決めで自由に決めていいんだけど「月末〆の翌月末払い」が一般的だね。
たとえば、3月に売り上げた商品やサービスの代金が4月末に入金されるのが一般的ということですね。
そういうことになるね。商品を買う側としては、その場で現金を支払うよりも後払いで「掛け買い」できた方がありがたいのは分かるかな?
はい。買う側としては後払いにした分のお金を使ってさらなる利益を生み出せるということですよね。
その通り。でも売り側の立場で考えてみるとどうだろう?
うーん…。
たとえば「月末〆の翌月末払い」で3月1日に売れた商品の代金は4月30日に入金されるということになるよね。売り側としては、商品が売れたのに現金が手元に入るまでに2ヶ月待たなければならないことになる。

売る側としてはなんだか2ヶ月は損をしているような気持ちになってしまいそうですね。
よく「売掛金は売上の証なんだから売掛金が多いことは良いことだ」と思っている方がいるんだけど、財務の目線から見ると、全く逆なんだよね。
どういう意味でしょうか?
だって売掛金が1億円あったとしても、今現時点で手持ちの現金が0円だったら何も買えないでしょ?現金があるからいろいろなものが買えるんだよね。ここを間違って認識してしまうと後で大変なことになってしまうんですよ。
たしかにそうですね。ちなみに売掛金を回収する前に相手の会社が倒産しちゃったら売掛金はどうなるんですか?
もちろん1円ももらえないかもしれないよ。やり方次第では売掛金が支払われるケースもあるけど、倒産しちゃってるわけだから、全額支払われる可能性はどうしても低くなっちゃうよね。
おそろしいですね…。売掛金を宛にして借金の返済など行っていてそれがもし支払われなかったら返済遅延を起こしてしまいますもんね。それって自分でコントロールできることじゃないと思うんですが、そうならないための対策はあるんですか?
財務の基本は回収は早く!だから売掛金の回収も早くすることが大切だね!もっと言えば信用取引ではなくて現金取引にすること!さらにいえば前金で貰うのがもっとベストだね。また、仮に売掛金が入ってこなかったとしても数ヶ月は借金の返済や活動資金に困らない現預金残高を持っておくことでも予防できるから、そういった意味でも現預金残高は安定経営には必要不可欠なんだ。
なるほどですね。やはり財務を考えた時には、売掛金よりも現預金の方が圧倒的に大切ということなんですね!
その通り!現金イズNo1だよ。
私もクレジットカードは出来る限り使わないようにします。
なぜ?買う側にとっては後払いの方が、メリットがあるのに。
なんか企業さんに悪い気がして…(笑)
純ちゃんは真面目だなぁ〜(笑)
本日のまとめ
- 売掛金:信用取引において、将来的にお金を受け取る権利のこと
- 買掛金:信用取引において、将来的にお金を支払う義務のこと
- 信用取引:将来のお金の支払いと受取の取引をすること(いわゆるツケ取引)
