海外進出ベンチャー育成
みなさん、こんにちは。
財務ナビスクール~中小企業のCFO~講師の中田です。
先週のニュースで中田が注目した記事は、「海外進出ベンチャー育成」です。
クールジャパン機構がアメリカの有力ベンチャーキャピタル(VC)と組んで、有望なベンチャーに直接出資を検討するという事だ。
中田が注目した内容は、
1社あたり1,000万~5,000万円程度を投資して育成。必要があれば最大1億円程度の追加投資をするという点だ。
お金を出してもらう・・・これ以上簡単に言えないのだが、お金を出してもらう方法はいくつかある。借りる=借入金、投資を受ける=出資、もらう=贈与等だろうか?
経営者であれば、借入と投資の違いは明確に認識しておいていただきたい。
借入金は金融機関から融資を受けることで、返済義務がある。保証協会付なのかプロパーなのか?返済期間は短期なのか長期なのか?といったところだ。大切なポイントは借りたものは返せばよいというその点だ。
投資は全く意味が異なる。
投資を受ける会社では、その資金は基本的に資本金の中に組み込まれる。借入金ではないという事だ。資本金の中に入るという事は、株式を発行する=投資した人や会社に権利が発生するという事だ。
中小企業でよくあることだが、経営者が財務や資本に関する知識を正しく学んでいなかったがゆえに、創業期において融資による借入ではなく、投資による出資を受けた。しかも1,000万~3,000万円程度で、20%~50%といった比率の株式を保有されていた。
頑張って数年かけて会社を成長させてきたところへもっと成長スピードを上げようと、経営判断の自由度を上げようと株式の買取提案をしたところ、とても高額な買取金額を提示されたというのだ。
このような事例はよくある。最悪、会社を整理して、創業からやり直すということにもなりかねない。
中小企業経営者として大切なポイントは、
1.創業期といえども3年あれば、1億円の融資による資金調達は可能であることを知る。
2.出資を受けるときは、会社としてシナジー効果がある先からの出資で、かつ出資比率5%未満位に抑え、出資によって資金的に余裕を持たせようとはそもそも思わない。
3.出資を受けるときは、IPO(株式公開)又はM&Aで譲渡する=株式を現金化することを目指し、創業経営者の株式比率を落としても結果として価値が上がると思えるか否かで判断する。
そうしたメリット、デメリットをよく知った上で不可逆的な投資受入を判断していただきたいものです。
それでは引続き、財務ナビ~ニュースを読む~をお楽しみに。