みんなの財務研究~保険代理店業を考える~

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2017/06/12

みんなの財務研究~保険代理店業を考える~

みなさん、こんにちは。
みんなの財務スクール~中小企業のCFO~講師の湯原重之です。

今回の財務研究は保険代理店業を取り上げていきます。日本標準産業分類では保険媒介代理業‐生命保険媒介業に分類されています。
いわゆる「プロの保険代理店」等と呼ばれている会社になります。

昨今、有名芸能人等ががんであることを公表する等と、身近なところで生命保険の意義を改めて感じるようになってきました。
そこで生命保険ってどんなところをきっかけに加入するのだろうという疑問から保険代理店業の財務を研究してみました。

生命保険会社と言えば、日本生命、第一生命、明治安田生命等内資の保険会社とプルデンシャル生命保険、メットライフ生命保険、アメリカンファミリー生命保険等の外資の保険会社があります。

いずれも自社の生命保険商品を取り扱っていますが、そこへ内資・外資いずれの生命保険会社の商品も取り扱いたいとの思いから、乗合保険代理店という形態が出来ました。これがいわゆるプロの生命保険代理店と言われるものです。

売上は各社の生命保険を販売したことによる保険代理店収入です。
本家生命保険会社からの完全歩合制と言えます。しかしその販売量に応じて保険代理店手数料の歩合率も変わってきますし、近年問題となっているのは、それぞれの生命保険会社が推進したい商品の代理店手数料歩合に傾斜を付けることで、生命保険代理店も歩合が多い商品を集中して販売し、肝心な加入者に必要な、加入者目線での保険推進になっていないのではないかということでした。

保険代理店業の経費は、その大半が人件費(販売員スタッフに対する給与)です。しかしビジネスモデルが生命保険会社からの完全歩合ということから、販売人件費に関してもほぼフルコミッションになっているところが多く見受けられます。
販売員に関しても、個人外交員として事業を行っていくよりも、大規模保険代理店に入って活躍した方がそもそもの歩合率が高くなるので、結果として自身に入る手数料(給与)も高くなるという事があります。

生命保険会社も多くの代理店抱え、管理するコストを考えれば、大規模保険代理店に多少歩合率を上げたとしても全体コストは下がると考えられ、利害が一致しています。

よって保険代理店業からみると、優秀な保険販売人(保険募集人)を抱えることが出来るかにかかっています。一人を採用しただけではスケールメリットは出ません。一度に大量採用、チーム採用をすることができるかどうか、そのチームが出来るだけ短期間で業績を上げることが出来るかにかかってきます。

財務的にはそうした優秀な人材の採用コスト、逆に退社した場合の不採算コストや保険代理店収入の返戻コストを確保しておく必要があります。

そうした短期的収益悪化の要因を抱えている業種であるからこそ、財務強化をして、盤石な現預金残高を保有していなければ、保険募集人の動向に怯えながらの経営となります。
経営者としてやるべき財務強化をしていれば、保険募集人も安心して日々の保険推進に邁進できるのではないでしょうか。

保険募集人の採用と保険代理店収入という売上は比例的に伸び、ある一線を越えた段階で歩合率が上がり二乗的に売上は伸びてきます。
売上の多くは人件費になります。少ない比率の固定費で会社経営を回していかなければならないので、生き残ると決めるという事はスケールを目指すという事に他なりません。
その瞬間、財務なしには存続はあり得ない構造です。

とはいえ、保有現預金を高めたといっても、事業所開設等に多額の設備資金がかかる訳でもありません。あくまでも予測が難しい人材の流出という短期的収益悪化に備える、又は優秀な保険募集人の大量一括採用に備えるための現預金です。
そのビジネスモデルを金融機関にいかに伝えることが出来るかで、財務戦略の伸びに違いが出ます。
ビジネスモデルとしては、PL経営の極みであるものの、その企業の存続に関していえばやはりBS経営が大切と言えるでしょう。

このように全ての企業の存続、成長、拡大には財務が必要です。経営者が継続して財務を学ぶ機会として毎月開催している、みんなの財務スクール~中小企業のCFO~を是非ご活用ください。
直近開催は6月28日、7月12日です。是非一度お申込下さい。

お申込はこちらから

それでは引続き、みんなの財務研究をお楽しみに。

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