創業期の売上・利益はどう考えるべき?

2017/03/21

創業期の売上・利益はどう考えるべき?

そういえば、前回湯原先生が「会社の現預金残高は平均月商の3ヶ月分」とおっしゃっていたと思うんですが、そもそも創業して間もない会社が平均月商の3ヶ月分を算出するのは難しくはないですか?またビジネスが上手くいっている訳でもないですし、創業期の売上・利益と言われても「より多く利益を上げられるようにがんばります!」としか答えられないのですが…。

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そんなことでは、間違いなく会社を潰してしまいますよ。いいですか。会社経営は気合いと根性だけでは通用しない厳しい世界なんですよ。もちろん気合いと根性も必要ですが、もっと戦略的に数字に強くなっておかないと生き残れない世界です。そんな実践経営の財務は純ちゃんが思っている以上にロジカルな世界だということをよく覚えておいてくださいね。

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はっはいっ…。

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それでは、今日は創業期の売上や利益についての財務的な考え方を解説していきますね。

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よろしくお願いしますっ!まずは何から考えていけば良いのでしょうか?

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まずは設立第1期目の最終決算数値をイメージしてみてください。

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決算…。

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そうです。事業開始時には、次のような問いかけに答えられるようにいておかなければなりませんよね。

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  • 売上高はいくらですか?
  • 原価率(粗利益率)は何%ですか?
  • 固定費は年間いくらですか?月額ではいくらですか?
  • 役員報酬はいくらとれますか?
  • その役員報酬で生活できますか?もし生活できなければどの固定費を削減しますか?原価率を見直しますか?売上計画を見直しますか?
  • 固定資産に対する投資金額はいくら必要ですか?
  • 平均月商の3ヶ月分の現預金残高っていくらですか?
  • 資本金はいくらですか?そこから逆算して平均月商の3ヶ月分の現預金残高を作るためにはいくらの創業融資が必要になりますか?
  • その資本金額で、必要な創業融資を受けられそうですか?
  • などなど…

ひえ〜っ。こんなに考えなくてはいけないんですね。

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これはまだまだ序の口です、こういった問いかけを法人設立の際には考えておかなければならないんですよ。

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会社を設立するのって大変なんですね。

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しかし、いくら全部を考えたとしても、結局は事業計画や利益計画を立てて、その計画が財務的視点から見て合理的なものであるかの検証が必要になるんですよ。

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それはどうしてですか?

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事業計画、利益計画をしっかりと立てた。1年後にその計画を達成できた。でも財務的視点からの検証を入れていなかったため、計画を達成したにもかかわらず、金融機関から思うような借入をすることができなかったということはよくある話です。

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だから第三者の検証が必要になってくるんですね。

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そうなんだ。これはあるある話なんですが、創業してまだ1期目の会社の顧問税理士の先生は「社長!創業時は赤字になるものです。3期目で黒字になれば御の字でしょう。会社経営はそんなに甘くないという事ですよ。しかし、ご安心ください。繰越欠損金という制度があって赤字になっても9年間はその後の黒字決算の際にその分を控除してくれますから大丈夫です。税金負担に差はありませんから…」と言うんだそうです。そういう話を社長さんから聞くたびに、この会社の9年後はない…その前に潰れてしまう…と危機感を感じてしまうのです。

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内容が難しくてよくはわかりませんでしたが、その税理士の先生の言うことは合ってるけど、財務的に見ると間違っているよ、ということでしょうか?

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そうなんだ。税理士の先生はあくまで税務のプロであって、財務のプロではありません。会社の存続に一番大きく関わってくるのが財務ですから、このような税理士先生の言葉をそのまま実行するのではなく、自分の頭でそれが良いのか悪いのかを考えられるくらいに社長自身がもっと財務を学ぶべきです。

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やはり自分の会社ですもんね。

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そうだね。アウトソーシングするのはいいかもしれないけど「これは果たして正しいのか?」という違和感を感じるぐらいの学びは得ておくべきだと思うな。

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そういった意味でも創業時は社長自身が財務を深く考える貴重な時間だから、簡単に創業してしまう前にもっと財務戦略について考えようということですね。

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そうです。先ほどのような自問自答を何度も繰り返すことで、設立1期目の決算がイメージできます。そうすると今考えている売上や利益、はたまた節税がいかに自社の存続を危ういものにしているかどうかが分かると思うんです。

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資本金1円で昔より創業のハードルが下がってしまった分、財務に無頓着な社長さんが増えて来ているということですね?

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そうなんです。会社を存続させるということはそんなに甘いことではない。創業期だからこそ、しっかりとした事業計画、利益計画を立てる財務戦略が重要なんですよ。100年続く会社にも創業期はあった、逆に言えばしっかりとした財務戦略があったからこそ100年も続いている訳なんです。

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そうですね。ビジネスが始まったら社長は本業に奔走しなければいけないということを考えると、創業時は社長自身がしっかり財務を勉強するいい時期とも言えるかもしれませんね。

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そうだね。だから純ちゃんも創業を目指すなら、もっともっとロジカルに財務を勉強していかなきゃね。

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はいっ!頑張ります!

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本日のまとめ

  • 創業時は1期目の決算をイメージし、事業計画や利益計画を作りこむ。
  • 創業時は社長自身が財務を学ぶ絶好の機会。もっと社長自身が財務について学ぶべき。
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