どの金融機関から優先的に融資相談すれば良いのか?

2017/03/31

どの金融機関から優先的に融資相談すれば良いのか?

プロパー融資の重要性も分かりましたし、複数行から借入をするメリットも分かりましたが、実際問題としてこの後の財務戦略上、どういった金融機関から優先的に融資を受けていけばよいのか目移りしてしまいます。金融機関の優先順位をどのように考えていけばよいのでしょうか?

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いい質問だね。いいかい、新しい次の借入先を見つける前に、まずは借入先の金融機関の整理をしましょう。このように現在借入をしている金融機関の情報をまとめた表を金融機関別借入残高推移表と言うんだ。これはエクセルを使って簡単に作ることができます。

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この推移表には、一体どのような項目を記載しておく必要があるんですか?

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金融機関名、支店名、融資の種類、当初借入金額、返済期間、利率、固定金利か変動金利か、毎月の返済元金、借入残高などなどが基本的に記載しておきたい項目だね。例えばこれは本当に簡易的なものだけれども、次のような表が金融機関別借入残高推移表と言うんだ。

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こうして整理することで、毎月の返済元金、年間の返済元金、各金融機関からの借入残高、保証協会付融資の借入残高、プロパー融資の借入残高等が一目瞭然になります。

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まずは現状把握が重要ということですね。

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確かにそれも重要何だけど、ここで重要なポイントは金融機関にも規模的ステージがあって、それぞれの金融機関によって融資金額に差があるという事なんです。

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一体どういうことでしょうか?

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ざっくり説明すると金融機関の中にも信用金庫や都市銀行、政府の運営する日本政策金融公庫などさまざまな種類があるよね?それぞれ金融機関の種類によって1回の融資金額が違ってくるということです。

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それぞれどれ位の融資金額が目安になるんでしょうか?

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確実な融資金額を公表している金融機関はないのですが、1回の融資金額の目安は次のようになります。この目安金額あたりがもっともスピーディーに融資実行に繋がっているようです。

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表1,金融機関の種類別、1回の融資金額の目安
金融機関の種類 1回の融資金額の目安
日本政策金融公庫 1,000〜1,500万円
信用金庫 1,500〜2,000万円
地方銀行 2,000〜3,000万円
商工中金 2,000〜3,000万円
都市銀行 4,000〜5,000万円

では、例えばこういった融資金額の目安を知らない人が信用金庫に「5,000万円融資して欲しい」とか、逆に都市銀行に「1,000万円融資して欲しい」と言うことは失礼に当たることなのでしょうか?

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失礼に当たることはないと思いますが、心の中で「この世界のことを何も知らないんだな・・・」と苦笑いをされるかもしれませんね。

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それは恥ずかしいですね。

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例えば野球をイメージしてみてください。同じグラウンドに立てば、各選手それぞれ条件は一緒ですよね。だからと言って小学生に150キロの剛速球を投げてどうですか?逆にプロ野球選手に80キロを投げてどうですか?同じ条件であっても、なかなか成立しないと思いませんか?

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そうですね。

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やはり小学生には小学生の、プロ野球選手にはプロ野球選手の、それぞれのステージにあったボールを投げてはじめて成立するものです。融資の世界もこれと同じです。それぞれの企業の規模的ステージにあった取引を心がけてはじめて成立するものなのです。

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なるほど。確かに信用も実績も何もない企業がいきなり都市銀行にいって「5,000万円融資をして欲しい」と言うのはステージが違いすぎて成立しませんもんね。

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そうですね。身の丈にあった金融機関から優先的に借りていくことが大切なんです。また、1回の融資金額ではなく、融資残高という観点も重要です。

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それはなぜでしょうか?

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会社が成長してきて借入金額も伸びてきた。しかし、借入金融機関が少ないために1行からの借入残高が増加して、追加融資額が伸びづらくなってきたということです。これは、会社として大きな機会損失に繋がりかねません。

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各金融機関にとって追加融資額が伸びづらくなってくる、これ以上の追加融資が厳しくなる金額の上限ってどれ位なのでしょうか?

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こちらも当然公表はされていませんが、借入残高が次のような金額を超えてくると、それ以上の追加融資の際には審査が厳しくなるように感じます。

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表2,金融機関の種類別、追加融資が厳しくなる目安額
金融機関の種類 追加融資が厳しくなる目安額
日本政策金融公庫 2,000万円
信用金庫 5,000万円
地方銀行 1億円
商工中金 1億円
都市銀行 2億円

なるほど!それぞれの金融機関のステージにあった融資申込をしていかないと想定外のハードルがその先に待っているという事ですね。ありがとうございました!

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本日のまとめ

  • 金融機関にも規模的ステージがあり、自社の事業規模に合わせた金融機関から優先的に融資相談に行く。

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