創業5期目までの過度な節税は要注意!最低限満たすべき税引前利益率の基準とは?

2017/03/21

創業5期目までの過度な節税は要注意!最低限満たすべき税引前利益率の基準とは?

財務において一番大切なことは何だったかな?もう大丈夫だよね!

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もちろんです。平均月商の3ヶ月分以上の現預金残高を維持するということです。

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その通り!もうそこは大丈夫だよね。これまでも常に意識してきたことだけれども、財務に強い会社、つまり絶対に潰れない会社にするためにはとにかく平均月商の3ヶ月分以上の現預金残高を維持するということです。では現預金残高を維持するために大切なことはなんだったかな?

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「金融機関からの借入」ですよね?

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素晴らしい!財務のことがだいぶ分かってきたね。

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財務が強い会社=現預金残高が多い会社=現預金残高をいつでも借入で増やすことができる会社

だったよね?

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そうですね。もうこのあたりはバッチリです。

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財務においてまず第一に考えるべきが現預金残高を確保しましょうということ。そのためには金融機関からの借入によって現預金残高をまずは確保しましょうということでしたね。では、そのために重要なことはなんでしょうか?

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金融機関に融資に値すると思われるような経営を心がけることです。

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その通りだね。だから財務の強い会社を作るためには、金融機関に良いイメージを持ってもらうために売上と利益をしっかり出していく経営に務めなければならないんだ。この「しっかりと」という基準になるのが「税引前利益率」という指標なんだよ。

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税引前利益って税金を計算する前の利益の事ですよね。この割合がなぜ重要なんでしょうか?

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実は、その会社の売上総利益率によって、公私混同の無いしっかりとした経営をしていれば、当然残るであろう税引前利益率という目安があるんですよ。

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その目安を基準に金融機関は「しっかりと」を判断しているということでしょうか?

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もちろんこれだけではないけどね、でもこの税引前利益率というのは金融機関にとって「しっかりと」を判断する基準の一つなんだよ。

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目安とは一体どれくらいなんでしょうか?

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次のように、売上総利益率が100%だったら、税引前利益率は15%。70%だったら10%、50%だったら7%、30%だったら5%、30%未満だったら3%が目安になります。

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表1,売上総利益率別「目標とすべき税引前利益率」
売上総利益率 税引前利益率
100% 15%
70% 10%
50% 7%
30% 5%
30%未満 3%

創業したら、この税引前利益率を目指して経営をすすめていけばいいんですね?

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いえ、創業から5期目まではこのような指標に関係なく、より高い税引前利益率を目指していただきたいのですが、この目安を下回らないような経営に努めてください。

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それはなぜでしょうか?

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創業して、会社の財務が整ってくるのが大体5期目と言われています。その前から、この目安を下回ってしまうということは、金融機関からどこか経営に問題があると思われても仕方ありません。

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どういう経営をしてしまうと、この税引前利益率がこの目安を下回ってしまうのでしょうか?

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多いのが、過度な節税ですね。人件費・交際費・消耗品費・保険料等々で節税意識が高かったり、もしくは顧問税理士先生からの節税対策に乗りすぎている場合、この目安のパーセンテージを下回ることが多いんです。設立してから5期にも満たないのにも関わらず、例えば次のような節税対策を行なっている会社って結構多いんですよ。

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ありがちな節税対策

  • 決算前に決算賞与を出す(人件費)
  • 個人的飲食の領収書を会社経費に回す(交際費というより脱税に近い!)
  • 決算間際にパソコン等少額の資産を購入する(消耗品費)
  • 決算月に全額損金または、半分損金になる生命保険に加入し、保険料を年払いする(保険料)
  • この先1年分の家賃を一括払いする(地代家賃)

節税ってどこの会社も心がけていると思うので、個人的には節税って企業にとってはプラスのイメージがするのですが、違うんでしょうか?

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確かに節税は大切です。しかし、まだ財務的に盤石な体制が整ってないのにもかかわらずこの目安のパーセンテージを下回ってしまうような節税は、かえって会社を倒産へと導いてしまいます。会社を守ろうとして節税したはずなのに、それがかえって会社を倒産させてしまうきっかけになってしまう。本末転倒としか言えません。

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そうなんですね。節税が会社を倒産に追い込むきっかけになるなんて…意外すぎます。

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そうなんだよ。この目安を下回ってしまうほどの節税は、支払わなければならない税金が少なくなるから数字的に見れば「良い」と思えるかもしれないけれど、金融機関から「経営がどこかおかしいのでは?」と思われて融資を断られてしまうリスクがあるんだ。何度も言うけれども、現預金残高を増やすためには金融機関からの借入が重要だっただろう?それが無くなってしまうということは、財務的に非常に脆弱な会社になってしまうということなんだ。しかも節税っていうのは税金と言う名の資金流出を最小限にすることであって、節税をするために会社はせっせと税金以外のものに資金を流出させていて、実は最も多くの資金(節税のための資金+税金)を流出させていると言うことに気付いて欲しいんだよ。

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それを知っている経営者ってどれくらいいるんでしょうか?

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うーん。そういった相談も多いから、実際のところあまり知られていないのが現状なんじゃないかな〜?

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恐ろしすぎます、会社経営。本当にいろいろな所に落とし穴があるんですね。

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そうだね。確かに創業から5期目まではあまり節税、節税と躍起にならないほうがいいかもしれないけど、逆にそれ以降で財務的に盤石な態勢が整った後でこれ以上の成長を望まないのであれば、最低達成しなければならない基準まで節税を検討されても問題ないと思います。

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つまり創業から5期目までは節税よりもむしろこの税引前利益率の目安を、5期目以降はこの税引前利益率までの節税を、という優先順位でやっていくことが大切ということですね?

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その通り。継続的な成長・拡大をしないということであれば、いいんじゃないのかな。つまりは優先順位の問題だね。

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本日のまとめ

  • 会社を設立するためのお金が資本金
  • 資本金は全額自分のお金で用意すべし
  • 他人から借りたお金を資本金として設立するのは見せ金設立という違法行為。
    (※見せ金設立は金融機関からの融資、補助金、助成金、許認可の申請がほとんど通らないため倒産のリスクが非常に高い)
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