Q&A
2017/07/06
- Q 資本金が少ないと会社を経営する上でデメリットは発生しますか?
- Q 資本金が少ないと会社を経営する上でデメリットは発生しますか?
- 株式会社財務のプロ 取締役/財務コンサルタント中田
- 2004年より、某財務コンサルタント会社にて代表取締役社長でありながら、最前線の財務コンサルタントかつ税理士として、百数十社のクライアント企業を対応。年間延べ700件超の財務戦略立案、金融機関と年間延べ1,500回超の資金調達対応を実施。2017年1月、財務のプロを設立。
A デメリットは発生しますが同時にメリットも発生します。
デメリットは赤字決算が即債務超過につながる可能性が高くなります。
債務超過とは資本金の額以上の累積赤字を出してしまうことです。例えば資本金を100万円で会社を設立した。若しくは資本金が100万円の会社であるとします。
この場合、設立1期目に100万円以上の赤字を計上すると債務超過になります。
また設立2期目以降の会社であったとしても、創業から直近期末までの累積の損益がマイナス80万円だとすると、今期において20万円超の赤字となると債務超過に陥ります。
つまり資本金が少ないということはそれだけ、少しの赤字系も許されないという覚悟で経営をしないといけないということです。このことは創業当初は事業が軌道に乗らず、赤字になりやすいという観点からいえばデメリットといえるでしょう。
債務超過がなぜそれほどまでによくないかといえば、財務超過状態である企業に対しては金融機関はほぼ一様に融資支援をしないからです。
逆転の発想もあります。
会社を設立しようと考えたときに資本金となる手元資金(自己資金)が500万円あったとします。多くの人は資本金500万円で会社を設立しようとします。
そうすると会社設立後は役員報酬を取らないと個人の生活が出来なくなります。
役員報酬は会社経費です。利益を圧迫します。
なので自己資金が500万円あったとしても、あえて資本金100万円で会社を設立します。
となると手元にはまだ資金が400万円残っているので、会社を設立して1年間は手元資金を毎月30万円ずつ切り崩して生活し、役員報酬を限りなく低額に設定します。例えば月額5万円とか。
すると設立1期目とはいえ赤字決算の可能性を低く抑えることが出来ます。
これは見方によってはメリットといえるのではないでしょうか?
赤字経営は絶対に避けるべきで、債務超過は罪!位な覚悟でもって経営に臨んでいただきたいものです。