Q&A
2017/07/06
- Q 創業2年目、年商1億円で利益も500万出せそうです。車を買いたいのですが、会社で購入してもよいものなのでしょうか?
- Q 創業2年目、年商1億円で利益も500万出せそうです。車を買いたいのですが、会社で購入してもよいものなのでしょうか?
- 株式会社財務のプロ 取締役/財務コンサルタント中田
- 2004年より、某財務コンサルタント会社にて代表取締役社長でありながら、最前線の財務コンサルタントかつ税理士として、百数十社のクライアント企業を対応。年間延べ700件超の財務戦略立案、金融機関と年間延べ1,500回超の資金調達対応を実施。2017年1月、財務のプロを設立。
A 創業から2年をがむしゃらに頑張って年商1億円、利益も500万円出せそう、3年目には頑張った自分にご褒美として車を買いたい・・・経営者にありがちな発想ですね。
いろんな視点がありますが、税務的視点からですと、そもそもその購入しようとする車は会社の事業に必要な車でしょうか?華美な車は経営者のプライベートカーと税務調査時に認定されてしまう可能性が高く、会社にとっても、経営者個人にとっても無用な税負担を強いられますので、そうした車を購入したいという時は経営者個人の資金で購入しましょう。
経営者個人で購入する場合には当然ですが、何の問題もありません。
次に財務的視点からですと、会社で車を購入する場合、その後発生する減価償却費等の経費によって会社決算はどのようになるとイメージされているでしょうか?
来期以降の事業計画、利益計画が重要です。車購入によって発生する経費を加味しても十分な利益が出せるということであれば問題ないのですが、それによって会社にとって十分な利益を出せない、又は赤字になるようでは元も子もありません。
減価償却の計算方法ひとつとってもです。定額法と定率法があります。
会社であれば定率法が原則なので、車を購入した場合の減価償却方法は定率法です。累計での減価償却費は当然同額なのですが、定率法は償却初期段階での減価償却費計上が多額になります。定額法は文字通り定額計上となります。
よって盤石な利益計上が出来ていない創業期に多額の費用計上が認められている定率法を選択していること自体がリスクです。かといって法定限度額未満の減価償却費計上をして利益を多く見せることはある意味、利益操作と金融機関から見られますので避けるべきです。
来期が始まる前の今期中に定率法から定額法への変更を検討しましょう。
更に車の購入方法にしても、手元の現金一括払いなのか?車のローンを組むのか?といった選択が多いようですが、金融機関から車の購入資金を融資してもらうという選択もあります。
手元現金の一括払いは現預金残高をストレートに減らします。
ローン手数料の料率と借入利率の比較検討をしてみましょう。